トヨタカップ決勝を見て思う


2005年12月19日(月)

「ベニテスのリバプール」
赤坂、香蘭で、トヨタカップを見た。
その感想を書く。

そういえば、ジョージ・ベストが死んだ。

当時、日本では、12チャンネルのサッカー番組でしか、海外のサッカー(とはいえ、ほとんどがイングランドのそれ)を目で見ることができなくて、金子アナウンサーと、岡野さんの解説でその三菱ダイヤモンドサッカーの黒白の番組のなかで、ベストは瞬時にしてそのころのサッカー愛好者をとりこにした、存在である。

サッカーボールのかわりに、ギターもっていたほうが似合っている、顔相、雰囲気、そうかこういう存在でも、世界的なサッカー選手なんだという、こちらがわの思い。とんえでもないドリブルスキル,
それに当時から、自分は指導者願望だから「こんなやんちゃなやつでも」「使いこなす監督、コーチがいるのか」っていう、ひそやかな思い、なにしろ国体選抜チームでは「長髪禁止」であった」わけだし、で、その使いこなしていた監督がそののちわかって「サー・マット・バズビー」であってというような、まーどうでもよいんだが、薀蓄傾けろといわれれば、いろいろあるが、それでも「なんで、まずはマンチェスター・ユナイテッドが、日本にはいってきたのであろうか、
リバプールもむろん紹介されてはいたが、日本人からしたら当時はオーラはマンチェスターにあり、という感じであった、だって、ほかのメンバーにデニス・ロー(喜劇役者のダニー・ケーにそっくりの顔)だが有名なジャックナイフ・ヘッドがいて、イングランド代表の、ボビー・チャールトンがいて、すこししてからは、ブライアン・キッドなどがいて、このキッドはもしまだそのままなら、ファーガソンの下で、コーチをやっているはずだが、いずれも時代を画した選手達であった。

そのリバプールの監督が「スペイン人の」ベニテスで、テレビでみても、はっきりとした、4フラットをひいていたので、この日はもっぱら、その4バックのラインの守りかたをずっと、モニターしていた。

数日前、甲府に大敗して、2部に陥落した、レイソルのコーチと午後中呑み続けて、なぜ、1部で勝てなかったか?なぜ甲府に負けたのか?いろいろなことを、語り合った。

別にシステムのなにを採用するか?そこらに、敗因をもとめても無意味である。
だが、あきらかにここではコーチにとって、研究すべき対象があると思っている。

というのは、ジーコに訊きたいことなのだが、ジーコは3バックを4バックにするというときに、「なにを、どう変更するのであろうか?」
自分にすれば、3バック、4バックどちらが有利ではなくて、数をひとりふやしたのが4バックだという程度ならそれは、おかしいと言う思いがあるわけで、この日のリバプールの4バックも失敗したが、けっして3バックにひとりふやして、4バックにしたというようには見えなかった。
すなわち、そこにスペイン人、ベニテスの「アイデア」があった、というより他にないラインのありかたであった、
まずはそれを言いたい。

0-1リバプールになったその場面では、便宜上、の言い方だが、左のストッパーと左のサイドバックのあいだを走る、サンパウロのハーフ(つまり2列目からあがってきた)ミネイロに走られて、シュートを許した。
あれはベニテスからしたら、左サイドバックがいけないのか、左ストッパーがいけないのか?訊いてみたいところである。
自分には左サイドバックがいけないというように見えたのだが、さーどういうことであるのか?

ただ一言でいえば、4バックをサイドバックを中にしぼらせて、守るという、そういう考え方は採用したくないということになる。で、ベニテスの4バックを担保させるために、この4バックの前のハーフの守りかたが当然、観察対象になるわけだが、22番の、シソッツコに多分徹底して、ボールにいかせて、とにかく、ラインが相手のフォワードやらあがってくる相手サンパウロのハーフの「ランに」そのかまえを崩さない、もし、リバプールのラインの前に、相手のだれかがフリーでやってくれば「ひく」ということになっているのだと思うが、ひいているあいだに、このシソッツコなどに、ボールに行かせては、最後だけは、通さないというようになっていたのだろうが、その1度の、失敗で、0-1で敗れ去ったわけだ。

テレビ見るだけでいろいろなことが参考になったが、サンパウロのつまりブラジル人のあいかわらず、うまい長短のドリブルのしかた、相手がフラットでライン守備をひいてくるからといって、アモロ-ゾでも、アロイジオでも、やはり高校生にひごろ言っているように「やはりラインの裏をねらうのがフォワードであるということ」しかし「サンパウロの側がボールをもっている場合」裏を狙うフォワードに「無邪気に縦パス」をだすわけもなく、ではどうするかといえば、その裏へ走る連中が、さっともどってきては、かべの第1を受けようとする、そのアイデアが、
ああそうかと得心できた、さっそく真似してみようである。

一方リバプールのほうで自分が、なるほどねと思っていたのは、ではラインで、あるいはラインの前のハーフのプレスで、ボールをとっても、そこにサンパウロのボールをとりかえす、プレスが鋭くやってくるので、ではどうやってとったボールをいわば守から攻に転換させているかといえば(むろん場面により違うが)中盤でだれかにかべパスの一番をいれてはダイレクトで、2番を受けにあがってくる味方につけて、そこから本当の攻撃を狙っていくというように見えた、この観察が正しければ、いや、中盤で、あのワンツーはよくもまー完成するっていうような、思いになる。

さーこれは真似できるかな?というのが正直なところである。
だが考え方はよくわかる、どうやって「中盤でスピードをあげるか?」多分それだけがサッカーにおける攻撃の問題であって、次ぎのような図式がなりたつのだとひそかに思っている。

蹴りでもスピードを「あげられない」チームよりは、つなぐだけのチームが勝り、
つなぐだけのチームよりは「蹴って」スピードをあげられるチームが勝るが、
つなぎと、なんらかの手段で、スピードをあげられるチームはほぼチャンピオンの位置に届く。

さて、もと読売の関係者がひきいていたチームはその、考え方がどこまで、行っているのかもふくめて、ひそかに、応援していくような関係であったが、今年は、Verdyは2部落ち、読売ではないが、国体OBの早野がひきいたレイソルも2部落ち、都並やら斎藤、藤川がひきいた、仙台は昇格ならずというみたいにである。

Verdyは多分ラモスがやるというのだが、こりゃどうなるんかっていうところがある。
なぜって、この多分に周囲が、おだてあげすぎて、その幻像に「ラモス自身が自分であわせよう、あわせようとしている」ところがある人物には、辛抱していくという感覚が欠如しているように思われる。48ゲームをときには「せこく」ときには、意地汚くでもとにかく、ポイントをひろっていく2部のサッカーで勝つには一番むいていない性格のように、自分には思えるが、Verdyの迷走いまに始まったわけでもないので、さあーどうであろうか?というところ。

せこく、とか意地汚くとか、サッカー用語ではない言い方をしてしまったが、仙台でコーチやった斎藤が赤坂にきたので、「2部で最低3位以内にはいるには、なにが必要か?」と問うたら、「1年を通じて安定した守備」だという答えであった、確かに、自分でも、そこから行くわな、と思った。

ここがただしいとしたら、1部で下に自動的に落ちた、Verdyでも、入れ替え戦で散ってしまった、レイソルでも、目先のことよりも、要は、1部でのリーグでなにかうまくいかないことがあって、そこが、来年は2部で戦わざるを得ない、主因になることは確かであるから、ここはいそがばまわれで、1年で復帰したいのはやまやまなところだが、そのための対症療法にのみ、頭脳をかたむけることなく、1部復帰してきても、そこから数年で、ホップステップとて上昇していく、チームの1年目を「やる」ということがただしい、運営であろう。
もっともだれもこれは聞かないねというように思う。
(この項終り)