コーチの戦術

2003年2月19日(水)

知り合いの人が、A3だとかいう、日本、韓国、中国のクラブ対抗戦のチケットをくれたので、極寒の国立に行って来た。この日のカードは、磐田対鹿島。

Jリーグ、めったに見ない(別に毛嫌いしているのではなく、まずはスケジュールあわないからだけの話し)ので、グラウンドで、じかに見て、個々の選手がどうだこうだ、はわからない。

高校サッカーばかり見なれていると、スケール,スピードどれをとっても、それはJのほうが、はるかに上等「なのだが」やっている中味で、コーチが「うなるか?うなれるか?」だろう。

磐田については「まったく、うならなかった」それどころか、「高校生に言っている、してはいけないプレイ」が目に付いて、柳下「どうするの?」と余計な気持ちを感じる。

鹿島については、チームが採用している(だろうと推測できる)守備の考え、攻撃でのボールの走らせかた、いちいち「腑におちた」
では「おもしろくなかったでしょう」と聞く人がいたが「コーチ的には、どんなゲームもおもしろい」というのは、前半の磐田、の攻撃のやりかた、ロング多用で、あった。
磐田の3人のラインで、つなぐ場合もあるが、ハーフにつければ、ことごとく、鹿島のインターセプトねらいに、ボールをロストしていた。

藤田(清水商)でさえ、今のサッカーでは「やってはいけないパス」をやりだすような前半であった「ので」「さー柳下は、後半どういうことをしてくるのか?」という興味があるからである。

おそらく、ハーフタイムに柳下はラインからの無鉄砲なロング依存を「やめさせ」トップやらハーフの足元にパスをつけさせ、あいたスペースへのロング(と,これ自体は、サッカーの永遠の古典だろうが)ということを言ったのだろう、ただし、自分が思うに「スペースのあけかた」については、鹿島のほうがいかにもうまく、またそのスペースへのロングも、磐田にとっては「驚き」のロングであり、結果スピードがあがる、しくみになっていて、その逆の磐田のボールの、走らせかたに「うならなかった」のはもっともである。

さて、真相はわからないが、マンチェスターが、ベンゲルのアーセナルに0-2で負けて、ロッカールームで、ファーガソンは激情にかられて、「シューズを蹴ったら、それがベッカムにあたって,ベッカム負傷」という事件がおきた。

これを書いている時点では、ファーガソンは「自分が蹴った」ことまでは、認めている、「ベッカムをねらった」とは、言っていない、「シューズにやつあたりキックをしたら、結果そうなった」ということに「してあるようだ」が、それを信用できるか?

けっして、ミーハーで言っているのでなく、ファーガソンが、ベッカムねらって、シューズを投げつけた、としたらこれはすごいね、ということになる、なにしろ「サー・ファーガソン」がベッカムにシューズを投げつけたというわけだから。
このあとのベッカムが「ものすごい凶悪な顔をしていた」写真もあるしね。

戦術的な、変更を柳下にしても「指示して」後半少し前半にくらべ変化した感じもあったものの、0―1前半,後半古典的な速攻を、鹿島にくらって(磐田のだれだか知らないけれど、鹿島のゴール前で、軽薄なプレイをやって、80メーターもどされた)0-2とされた。

ロッカールームで、シューズを選手にぶつける、という手もあるわけだ。

演出家の蜷川先生は、稽古で、俳優に灰皿を投げつけるというし、テレビの某局の現在社長も、重役会議でよく灰皿を投げたと私は聞かされている。

こ突いたり、こ突かれたり、どつかれたり、どついたり。

チケットが1枚あまっていたので、たまたま自分に電話してきた、韓国人女性とこのゲームを見たのだが、ゲームのあと、食事をして、よもやま話しになって、彼女の親友の共同経営者(これも女性)が彼女の印鑑をつかって、借金して、今や身に覚えのない、借金で「追いこみをかけられて」という状況だという話だった。

チームを準備していても、どこかで、人間のむきだしの、力に直面したり、サッカーを離れても、裏切りやら、詐欺やら、人の生の暗部に触れたりと、忙しい人生だが、嫌いというわけではない。

ふにゃふにゃ、した日々よりは、緊張があるからである。
(この項終わり)