「祭りは終わった」

古い世代にはお馴染みの湘南鈴木 中先生との交流メールを紹介して締める。

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「プレジデント」7月8日号「我満 硫」楽しみに読ませてもらいます。
朝日新聞6月15日「湯浅健二」「創造的な破壊者・トルシエ」46回生
朝日新聞6月22日「細川周平」「敗北を抱きしめる日本人」48回生
読売新聞6月18日「鈴木中」「勝利最高の喜び・サッカー人生50年」
皆さん文章が「上手い・難しい・横文字が多い・・・」そこへ行くと私の
文章は小学生にも解かるように書いています。湘南高校のHPに載せた文章です。
反省会の肴にして下さい。中
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「ワールドカップ」       2002年5月30日
いよいよ始まる、楽しみが6月9日に終わってしまうのか、はた又14日まで
長引くか、17日(神戸)か18日(宮城)かいづれにしても、それ以上の話にはならないだろうと、神奈川県サッカー協会技術委員会のメンバー5人で始まる前に一席もうけ、ワールドカップを肴にした。

我々の様に本物を自負している指導者はサポターや、にわかサッカー評論家のように、オモシロ半分で「勝った・負けた」を論ずるより自分なりに見た「試合分析」を通して監督の評価やこれからの課題を見つけて行こうとする。それぞれの立場で早く世界の仲間入りを願いながら・・・

まず「横浜・Fマリノス2-2ナイジェリア」の試合を見てアフリカ選手のボールタッチ
とキックの正確さと、スピード、そして身のこなしと、柔らかさ、には感心させられたが、日本はあの真似はこれから30年経っても出来ないだろうと断言して、誰も異論はないと思う。

毎日のように埼玉・横浜・大阪・と日本の活躍を追いかけ予選リーグ突破に驚きと,歓喜の叫びを挙げ、大声で「君が代」を歌えたのは、大満足であった
しかし仙台でのトルコと0-1の負け試合は不完全燃焼と、不可解な先発メンバーの起用に疑問を持ち何とも情けない結果に対し憤懣やる方無しで、最初から持っていた「トルシエ起用反対」が正解だった様に思えてきた。

フランス語だけを喋り捲り「通訳を介して、選手に物を言う」あの姿勢がどうしても私には納得できなかった。いつも何か人種差別を感じてしまい、不快感ばかりが残るのは私ばかりではなかったかと思う。考え過ぎだろうか大会が始る前まではマスコミの誰一人として「トルシエ批判」はなかった。何故だろう?

さて終わってからも日本の記者さん達は「ジーコが・ストイコビッチが」と言って人の名前を借りながら「トルシエのメンバー起用」を批判していた。クラマーさんが講演の中で100年前から「勝っているメンバーは動かさない」コーチの大原則だと語っていた。トルシエに何があったのか私には解せなかった。

今回の私の見たベストマッチは「トルコ1-0セネガル」準々決勝(長居)だった。あいにく行く予定がテレビ観戦になったが、代わりに行った息子が感激してレポートを送ってきた。特にレフリーが良かったと報告を受けたが、試合内容も本当に素晴らしかった。是非セネガルに機会があったら行きたいと思った。
「やはり決勝は・ドイツ-ブラジル」     2002年6月27日

矢張りと書いたのは最初からOB仲間の予想で穴ねらいでこの目を買っていたのでいささか自慢でもある。理由は色々あるが、幾つかを思い付くまま列挙してみよう。
○ サッカーは髪型・顔形(美形)でやるものではない。格好を気にしているものは勝てなかった。むしろ格好悪い方が強い。

○ マスコミの書いた物は嘘ばかりだ、真実を見る目を持たなければ駄目だ。
碌な記事が無かった。特に「トルシエ批評について」ジーコがこう言っている、ストイコビッチがこう言った、と人の名前を借りて書いているのは情けないと思った。そして終わってから徐々に真実が出てきた…・

○ 正しいサッカーが勝つ、正統派がやはり強かった。

○ しっかりと準備できないところは勝てなっかった。イタリア・フランス・ポルトガル・アルゼンチン・大会前2週間では準備できない。

○ 悪質なファールをするチームは勝てない。いわゆるダーティーな、きたないファール(相手を掴む・引っ張る・引っかける等々)をするチームは勝てない。

○ 裏を返せば正しいディフェンス(一対一の間合い・身体の寄せ方・使い方・ゾーンディフェンス・ラインの作り・正しいタックル等々)はドイツ・ブラジル・が世界一であった。

○ 攻めについては組織としてはトルコ、個人技ではブラジルが世界一だろう。
今回のベストゲームに「トルコ‐セネガル」を挙げたのは、アフリカの選手独特の唸るような個人技が随所に見られ、トルコの流れるようなすばらしいパスワークがあり流石ワールドカップと言うゲームを見る事が出来て本当に生きていて良かった・・・・

○ 多くの人はブラジル有利と予想したが、どうもブラジルの守備に不安を感じ、ドイツが優勝して欲しいと戦前に書き、特に子供達に正しいサッカー・きれいなサッカー・フェヤープレーが一番大事な事、で世界を制すると声を大にして言いたかったが、ベストメンバーのブラジルがドナウドの2発で見事な優勝に終わり「横浜国際競技場」で素晴らしいファイナルの幕を閉じた。

「祭りは終わった」    2202年7月2日
 
 6月30日大成功でファイナルの幕を閉じたが、「大成功」の受け止め方は人それぞれの立場で違うものだろう。私は「無事何事も無く終了」を第一に挙げたい。特にフーリガン・テロ・の心配が全く無く終わった事は関係者として何よりもうれしい事であった。(TVKのインタビューでこれだけは言わせてもらった)

 次ぎに「日本チーム」の活躍と「韓国チーム」の出来すぎが、挙げられるだろう、何はともあれ戦前の予想を上回って決勝トーナメントへ進出した事は立派であった。ましてや韓国のベスト4は見事と?言うしかないだろう。しかし日本最後のトルコ戦の負け方が悪かったのは「トルシエ」これまでか?…で終わり、残念な結果であった。

 茶の間へのサッカーの進出は目を見張るものであった。日本国中がテレビに夢中になり「サッカーの楽しさ」を味合った一か月だったようだ。にわかフアンに、にわか解説者が説明してきたサッカーがどんな形で根付いて行くのか心配だが「百聞は一見…」子供達は世界を目のあたりにして必ずや生かされると確信している。

 私が50年掛けて言って来た事がテレビでジダンが「フランスのサッカーは…」と語れば子供達はうなずいていた。ドイツ・ブラジルが決勝に残った事は,正しいサッカーが世界一になるのだと言う「見本」みたいなものだ。一対一のディフェンスが課題です、基本が大事です、100年も前からサッカーは変わっていない「クラマーさんの」言葉が懐かしく響いた。

 にわかフアンに,にわか解説者、にわか記者等々「にわか」はかまわないが真実を伝える、本当のサッカーの楽しさを語る、そんな記事が少ないのは残念だが、この大会で素晴らしいと思ったのは、三位のトルコチームが勝って韓国と肩を抱き合ってウイニング・ランをした光景は美しかった。そんな意味で今回の敢闘賞はトルコに上げたいし、子供達の見本にしたいチームだった。

 沢山の教え子からメールを頂き全てに返信できなかったがこの文章に代えさせてもらいたい。又少しづつ「中メール」を書かせて貰います。現役はもう直ぐ「冬の選手権1次予選」が始まります。7月の予選トーナメントからリーグ戦11月2次予選と続きます。是非応援を頼みます。